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姥捨て山

1 :ふ〜〜ん:02/07/22 22:51
子は間引き、親は捨てる。
それは常識であり、疑いもしなかった。
いつか、この日が来るのはわかっていた。
母はその日もぶんぶんと米びつから出る羽虫をかろやかに捕まえ、潰していた。
飛び回る虫がまるで吸い付かれるように母の手に収まる。
それは一つの魔法のようだった。

2 :ふ〜〜ん:02/07/22 22:52
妻は外から私に目で合図している。
「早くつれていきなさい」と。
もう少し母の小さな魔法を見ていたかった。
「泰助。そろそろかね」
意気地のない息子にこれから死に向かう母親が声をかけてきた。
私は母にずっとおぶられて生きてきたのだと、思った。


3 :ふーん:02/07/22 22:53
清川虹子さん死んじゃった

4 :ふ〜〜ん:02/07/22 22:54
小さくなった母を背にゆっくりとゆっくりと、歩く。
見慣れた田、畑、川、その全てに母がいた。

橋の上を通り過ぎようとすると、30歳の母親が立っていた
「暗くなる前に早く帰りなさいや」

畑のそばを通る時、40歳の母親が声をかけてきた
「お昼御飯ができたぇ」

山にさしかかったとき、50歳の母の声が聞こえた
「今年のマツタケはどうね?」

今、私の背には60の母がいる。
ただ、だまって何を考えているのだろう。
私はどうすればよいのだろう。

5 :ふーん:02/07/22 22:56
DTIさん死んじゃった

6 :−イオン:02/07/22 22:56
姥捨て山の跡地に行ってみたいです、

7 :ふ〜〜ん:02/07/22 22:56
山も中腹に来た。
寒さが私と死にかけの蛹を刺す。
私は自分でも信じられない事を口走り始めた。


8 :ふ〜〜ん:02/07/22 22:59
「母さんは羽虫取り、うまかったよね
 でも、取られる番になっちゃったわけだけど、どういう気分?」

相手が圧倒的弱者である事。
誰も見ていないという安心感。
母に向かって私は自分でも許せない事を口走り始めた。
母はただ、地面を見ている。

「これから、死ぬんだよ?どういう気分かって聞いてんの」


9 :モーグリ:02/07/22 22:59
つづき読ませろにゅ

10 :ふ〜〜ん:02/07/22 23:01
母親が重い口を開いた。

「取られる、羽虫の、気分だよ」

私はすぐに返した

「俺が母さんを取る人間なわけ?違うよ、それは違う」

11 :あおむし:02/07/22 23:01
母は、にやりと笑って言った

「お前もいつかは捨てられるんだから」

私はその母の顔を一生忘れる事はできないだろう

12 :ふ〜〜ん:02/07/22 23:04
私はまくし立てた

「姥捨てなんてのは醜くなった人間を見たくないからするんだ
 自分がこんなにひしゃげて、糞を垂れ流して、一人で生きられない。
 そんな将来の自分を見たくないからするんだ。
 だれもヘロヘロの羽虫の面倒なんて見たくないんだ。取りたくもないんだ。
 だからもう少し上まで上ったら自分で落ちてくれよ。谷へサ。
 俺は母さんが好きだった。確かに好きだった。
 でもそれは今のひしゃげた骨ばったあなたじゃないんだ。
 羽虫というよりは油虫なんだよ。逃げる力もない油虫。」

13 :ハンハンLc(野坂。昭如)p−−:02/07/22 23:08
読んでますよ

14 :ふ〜〜ん:02/07/22 23:08
母は何も言わなかった。
ただただ、私の背に乗っていた。
まるで丸太のようだ。

言い過ぎたかとも思った。これから死ぬ人間に。
こんな所を妻に見られたら離縁されてしまうだろう。
村八分にもなるやもしれぬ。
誰もいない山なのにそう考えるとなぜか不安になった。

「・・・言い過ぎた。ごめん。でも。」

雪がちらちらと降ってきた。

15 :モーグリ:02/07/22 23:09
どこまでも自分のことしか考えない息子。

16 :ふーん:02/07/22 23:12
姥捨て山というと
袋叩きされて生き埋めになった
泥棒家族の話が一番怖いよ

17 :ふ〜〜ん:02/07/22 23:13
少し疲れたので、岩の上で腰をおろした。
妻が持たせてくれた握り飯を頬張りながら、眼下の村を眺めた。
ここには子供の頃にも来た。父と、母と。
母親の作ってくれたおにぎりはとても美味しくて。
中の梅干し、おかかに大喜びしたのを覚えている。
やわらかな春の日差しがたしかに僕らの家族に燦燦と降っていた。
私にとっての本当の母親は、その母親なのだ。
さきほど見た幻こそが母親なのだ。

この骨だらけの死にかけの油虫ではない。


18 :ふ〜〜ん:02/07/22 23:17
私は握り飯を一つ、二つ、投げ捨てた。
そして母に一言、「食うなら食え」と言った
おそらくこれが最後の晩餐になるのだろうと思う。
あまりに非道な扱いなのではあったが、その時の私にはそれで当然なのだと思えた。

母親はを動かなかった。

せっかくの握り飯を何故食わないのか。
私は激昂して母親を思い切り殴りつけた。

19 :ツルペタカラコ:02/07/22 23:19
ひどい話だ。

20 :モーグリ:02/07/22 23:19
鬱。

21 :ふーん:02/07/22 23:20
へこむなあ。

22 :ふ〜〜ん:02/07/22 23:21
おそらく1本2本は折れただろう。
それでも母親はただ、黙っていた。
痛そうなそぶりも見せずに。
魂の抜けたその半屍をまた私は担いで、山を上った。
その場所から移動した事で、私にとっての母親はすでに死んだと
自分を納得させた。
今、背負っているものから「母親としての性質」は全て消えたのだと。

23 :−イオン:02/07/22 23:27
母さんはとても我慢強い人でした、

24 :モーグリ:02/07/22 23:28
はよ続き書くにゅ。もう眠い。

25 :ふ〜〜ん:02/07/22 23:29
村からも見える大きな一本杉。
その横にはこの世界を紙が作ったときから存在する大穴がある。
そこに母を捨てるのだ。
そこには数え切れぬ屍があることだろう。
たまに川下にその屍が流れてきて烏がそれをついばむことがある。
ああなるともう油虫ですらない。ただの糞尿とかわらぬ。

私はなぜか、途中の路に母を置いた。
穴まではまだ1里ほどある。
もう母親は死んだのだと納得させていた。
もうこれは母親ではないと自分に言い聞かせた。
なんのことはない、ただ穴に落とすだけ・・・。

しかし、私はここに母を置いた。


26 :ツルペタカラコ:02/07/22 23:30
どきどき、、

27 :ふ〜〜ん:02/07/22 23:33
私は怖かったのだ。
一人の人間を死に追いやる事が。
私は母親には勝てないと思い知った。


たった一匹の虫を殺せない。


母の魔法が今、欲しかった。

母は無言で訴えている。「殺してくれ」と。

それでも私は無視した。



28 :ふ〜〜ん:02/07/22 23:36
母親がどうなったかは知らない。
その場所から動かなかったか。
それとも自分から身を投げたか。
自害したか。
私はただ、次の姥捨ての時に変な場所で
母親の死体が見つからねばいいなと思った。

私は今日も羽虫に食い荒らされた米を食う。
何もできない自分を甘やかし今日も米を食う。


おわり

29 :なおきくん:02/07/22 23:37
ブルー

30 :−イオン:02/07/22 23:38
オチなし、というところが、また、

31 :babyblue:02/07/22 23:38
なんかラストがイマイチ締まらんかったな。
どうしたら良かったのだろうな。

32 :ふーん:02/07/22 23:38
めっさへこんだ。

33 :babyblue:02/07/22 23:39
オチをつけるとまた変な道徳モノになっちゃうからな

34 :ふーん:02/07/22 23:39
>>31
母親の逆襲。

35 :ふーん:02/07/22 23:40
>>12がエグすぎ

36 :名無しさん:02/07/22 23:40
ええ話や・・

37 :パイパニスト@ロビラー:02/07/22 23:40
babayblueは小説家にでもなればいいと思う。

38 :ふーん:02/07/22 23:41
しかしまぁ、老後なんてこんなものだよな
老人ホームに入れとくとか。

39 :−イオン:02/07/22 23:42
自分が老人になったら
むしろ、自分から行く、ホームに、

40 :ふーん:02/07/22 23:42
息子の言い訳ばかりだな

41 :ツインビール:02/07/22 23:43
養護老人ホームには入ってもいいと思う。

42 :ふーん:02/07/22 23:43
>>33
へたするとflashができるからな

43 :ふーん:02/07/22 23:44
そら、自分に言い訳でもしないとやれないしな>>40

44 :babyblue:02/07/22 23:44
別に俺は爺さんや婆さんが嫌いなわけではないよ。
現に同居してるし。御飯の用意とかしてるし。

45 :babyblue:02/07/22 23:45
>>42
マジで!?

46 :ハンハンLc'野坂。昭如)p−−:02/07/23 00:04
babyblueが書いたの?

47 :babyblue:02/07/23 00:06
そうだね。

48 :ハンハンLc'野坂。昭如)p−−:02/07/23 00:07
そうか

49 :ふーん:02/07/23 00:07
e?

50 :ふーん:02/07/23 00:11
なんでロブロフ斎藤じゃないの?

51 :babyblue:02/07/23 00:13
なんか書き出しは捨てハンがいい感じ。

52 :ふーん:02/07/23 00:14
捨てハン山

53 :便造:02/07/23 00:28
いいっすね。俺は好きです。
ただやっぱりラストがどうにも締まらないですね。

54 :ふーん:02/07/23 00:34
いっそのことラスト2行なくしても。よいか。と。

55 :babyblue:02/07/23 00:37
なるほど。

56 :白³ ◆XnABCDUU :02/07/23 00:42
17行目が感動した。

57 :ハンハンLc'野坂。昭如)p−−:02/07/23 00:43
セリフに熱がこもってた

58 :白³ ◆XnABCDUU :02/07/23 00:44
男の友情について考えさせられたよ。

59 :ツルペタカラコ:02/07/23 00:44
母親ネタはどんなにくさくてもぐっと来てしまうのですよ

60 :残りもの人生 ◆idJSJ.Uw :02/07/23 00:52
おもろいねぇ

61 :ふーん:02/07/23 00:55
なんで今ごろ姥捨て山ネタを?
楢山節考でも見たのか?

62 :ふーん:02/07/23 00:56
タイトルは羽虫の方が良い

63 :白³ ◆XnABCDUU :02/07/23 00:56
>>61
自分の母親を千里山に捨ててきたかららしいよ。

64 :ハンハンLc'野坂。昭如)p−−:02/07/23 00:56
「生きたい」とか

65 :ふーん:02/07/23 00:57
この間の姥捨ての詩も良かった

66 :ふーん:02/07/23 00:57
>>59
くさいか?この話

67 :ツルペタカラコ:02/07/23 00:59
これがっていったんじゃないよ

68 :ふーん:02/07/23 01:05
>>65
うpすれ

69 :ふーん:02/07/23 01:19
危うくディスプレイ殴るところだった…
危ない、危ない…

70 :ふーん:02/07/23 02:34
なんかこっちで話題になってたよ
http://www.amezor.to/lobby/020722184952.html


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